Mallius and I

「君は生きているじゃないか」

紫水晶の睛をした彼はそう云った。

「死んでいるようなものです」

僕がそう云うと、彼は意味ありげに笑った。

「心を絶えず流し続けるんだ」
「流れを止めたら?」
「深みに囚われる」
「深み?」
「……闇の深淵に沈んで、二度と浮き上がれない」

その時僕は、心臓を氷の手で掴まれたような思いがした。