Tiny messenger

「これを届けてくれたら金貨をやろう」

お届け物は一通の手紙。
真っ白な高級紙の封筒には、
宛名も差出人の名前も無くて、
代わりに七つ星の紋章が一つだけ。

「どうもありがとう、坊や」

受取人はとっても綺麗な女の人。

「では約束の金貨だ」

先生は三枚もくだすったけれど、
それは金紙に包まれたチョコレイト。

「僕、喋るかも知れませんよ」

すると先生は少し困った顔をして、

「仕方がないな」

笑ってもう二枚くだすった。